出会いの本〜出会えてよかった〜

私達は、我が街への帰り道をゆっくりと歩いていた。


「あのさ……改めて言うけど」


本当は恥ずかしいっていうか、もどかしいっていうか……で言いたくないんだけど言っておかなきゃならないんだ


「助けてくれて……ありがと……」


なんか、ツンデレっぽくなったよ。

気のせいか。うん。


私がその言葉を隣を歩いている水守に投げかける

すると


「んぁ?お、おう。」


「何?その微妙な反応。」


言いたくもないお礼を言ったんだからもうちょっといい反応しなさいよ!((ツンデレ!!!


「いや。お前礼とか言えんだなーって」


「……」


なんだ!この失礼な男は!

礼くらい言えるわ!


「私をなんだと思ってたんだよ」


「地味な奴」


はっ!!即答!

すっごい早かったな!おい!


「そーですよー。私は地味な奴だよーだっ!」


「知ってる」


どこまでも、人をイラつかせるんだ!


「あんたみたいなのは知らないだろうけどね!地味でメガネ掛けてる子は磨けば可愛くなる要素詰まってんだからね!」


もうヤケクソだ


「自虐してんの?」


「お、おぉ。よく分かってんじゃない」


どれだけ見透かしてやがんだ




「別にお前は磨かなくてもいいと思うんだけどな」



「へっ!?!?!」




「なんでもねぇーよ!」





私の聴力もとうとう末期か。


「そうやって、女達を誑かしてきたんだろ。タチが悪いぜ」


「女に興味がないんでね。生憎。」



「へ、へぇ~」



その言葉を聞いて内心

嬉しく思った反面


チクッと胸がいたんだ。


という真実は心に秘めておこう
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