あの夏のこと

「そんなわけなっ…。」

私が「そんなわけないって」と言おうとして振り向くと、そこにはさっきの冬服の男の子はいなかった。



「あれ…?さっきまでここにいたはずなのに…。」

「何言ってるの。さっきからそこには誰もいなかったよ?」

「え…?」


私、見間違えたのかな?

いや、でも確かにいたような…。


私が考えていると

「何してんの、早く帰ろうよ!」

と夏樹が言ってきた。




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