未来から来た花嫁 ~迷走する御曹司~
「えっ……?」


小松の表情はまた変わり、今度は目を丸くし、唖然とした顔をした。


「知ってたんですか?」

「まあね」

「調べたんですか? 探偵さんを使って……」

「いや、そんな事はしてない」

「だったら、どうして分かったんですか? 私は言ってないのに……」

「今日、政宗君が俺の会社に来たんだよ。その時に彼から聞いたのさ。おまえがこのスーパーで働いてる事もね」

「なんだ……。ご主人さまがどうしてここに来たのか不思議だったんですけど、そういう事だったんですね。あ。という事は、そのお顔の傷は、もしかして政宗が……」

「あ……まあね。ちょっと行き違いがあってさ」

「すみません! 」


小松は慌てて立ち上がった。


「あの子ったら……。普段は大人しいんですけど、少し怒りっぽいところがあって……。本当にすみません」

「いいって。俺は全然気にしてないし、むしろ彼には感謝してるぐらいだから」

「感謝、ですか?」

「そうだよ。彼は俺に教えてくれたんだ。言葉にしないと、想いは通じないってね。だから俺はここに来た。君に想いを伝えるために。それと、君の気持ちを確かめるために……」

「ご主人さまは、本当に私の事を……?」

「ああ。好きだよ。……愛してる」


小松は神妙な顔になって俺を見、俺もまた、背筋を真っ直ぐ伸ばし、しっかりと小松の目を見てそう言った。

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