わがまま即興曲。

明るくありたい理由

「そういえば、さ。」

「なんですか?」

次の日の回診の時、思い立って主治医に話しかける。

「私、入院してから一週間たつよね?」

「そうですね。」

「熱も下がったよね?」

「はい。良かったですね。」

「退院、まだ?」

そろそろ入院生活にも飽き、暇なので、
そう聞いてみたら、

「…………」

黙る先生。
…まだ、ダメなのか。

「あ、やっぱりいいや!
夏休みだし、宿題ならここでもできるし!
家に帰ってもやることないから!」

言いづらそうな先生を見ていたくなかったので、
思わず急いでそう言ってしまった。


…本当はわかっていた。

さっきまでお見舞いに来ていたママに聞いても、

「もう少し、頑張ればきっと退院できるから。
あやちゃんは何も心配することはないの!」

って誤魔化されたし…

多分、検査結果がそんなに良くないのだろう。

そういえば、
熱が下がったのに、何故か体の怠さが消えていない…

入院するときに、発作の危険がなくなったら退院とかなんとか言ってたから、
まだ退院できないということは、
発作の危険があるということ。

まだ私の体は、いつ発作が起きても、おかしくない状態なのか…
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