わがまま即興曲。

入院生活

私の入院生活がはじまった。


ガシャン…

部屋の消毒に来た看護師が、
壁に立て掛けてあったお見舞用のパイプ椅子を倒す。

「あ…ごめんなさい!すみませんっ」

「大丈夫で…」

「新米の方?ここは病室なんだから、
消毒くらい静かにしていただけませんか?
まったく。この病院はどんな教育を…」

「ママ、私、気にしてないから。」

「あやちゃん…あやちゃんは大人しくて思ったことを我慢しちゃう子だから、
その分、ママがちゃんと言ってあげてるのよ?」

「いや、だから、本当に…」

「申し訳ありませんでした!!
失礼しますっ!!」

「あ…」

ママのクレームを受けた看護師が、
涙目になって部屋から出ていった。


今日も今日とて、ママのモンスターっぷりは健在である。

「はあ…いい加減にしてよ…
本当に私、なんとも思わなかったんだよ?
可哀想じゃん、あの人。」

「あやちゃんは優しい子ね。
でもね。優しいってだけで生きていけるほど、世の中は甘くないの。
思ったことはちゃんと言わなくちゃ。
まあ、あやちゃんのことはママが守ってあげるから。」
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