【新】俺様社長の溺愛
考えれば、考える程、気分が悪くなる。

…もう少し、目を閉じていよう。

今日は、金曜日。歩が、休暇届出しておくから、

休みなさいって言ってくれてたし。

…それに、もう少し、秀人の手を握っていたかった。


…お互い目が覚めてしまえば、

現実に戻ってしまうから。


目を閉じた瞬間、声が聞こえた。


「…まだ、具合が悪いのか?…顔色が悪いな」

・・・目を覚ました秀人が私の髪をかき上げた。

…私は、秀人がしてくれるこの動作が好きだった。

コワレモノデモ触るかのように、優しく撫であげてくれる。


こうしてもらうだけで、気持ちが落ち着いた。


「…愛海、まだ寝てるのか?」

「・・・」

起きているけれど、そう答えられなかった。

そう答えてしまえば、秀人を突き放さなければならない。

そうする事が出来そうになかった。


「…今もずっと、愛海を愛してる。

昨日の女性は、見合い相手だ・・・でも、

その人との結婚などあり得ない・・・

オレが結婚するのは、愛海、お前だけだよ」
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