蒼月
開華。
広い背中
私よりしっかりした腕
私より高見を見る長身
形のいい唇


その全てで愛されたら
貴方の全てで愛されたら


香る香水
混じる煙草の匂い
狭い車中


貴方の笑顔に《オトナ》が潜む


好きと呼ぶには幼すぎる
憧れと呼ぶには強すぎるこの感情


存在を近くに感じる
いつもより早く感じる


この鼓動、嘘じゃない
香水も煙草の香りもいつもより濃く香る
窓に映る貴方の仕草
ひとつひとつに瞳奪われる

気付かれてる


きっといつからこんなに私は
きっと最初から
夢の終わり現実に引き戻される


私の前を歩く貴方の背中


恋と呼ぶには遅すぎる
愛と呼ぶには早すぎる


貴方によって咲いた花
この激情、いつか聞いてくれますか
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