そこから先は、甘くて妖しいでんじゃらすゾーン。【完】

「なるほど……そんなことがあったのですか……」


私の話しを聞いたイカれたおっちゃんが大きく頷き納得の表情。


「すみません……私が余計なことを言ったから……」

「いやいや、姫のせいではありません。悪いのは二階堂です。自分のしたことを棚に上げ、姫を逆恨みするとは言語道断!許しがたい行為です」


イカれたおっちゃんはそう言ってくれたけど、責任を感じちゃう。もっと用心すべきだった……


なんて反省してると、喫茶店のドアが勢いよく開き、大絶叫しながら強面のおっちゃんが飛び込んで来たんだ。


「おぉー!姫~!」

「おや?どうしたんですか?」

「姫、お喜び下さい!バーバラが……バーバラが帰って来ましたー」


そう言って、強面のおっちゃんが差し出したのは、毛の長い白い猫。


「へっ?バーバラって、猫だったの?」

「はい、この娘は気まぐれでよく家出するんですが、今回はなかなか帰って来なかったので心配していたんですよ。しかし姫の満月までに帰って来るという言葉を信じ待っていたところ、満月の本日午前4時に無事帰還しました」

「あ、そう……」


ハッキリ言って、そんなどうでもいいことをわざわざこんな朝早くから報告に来なくても良かったのに……


強面のおっちゃんに冷めた視線を向けるが、嬉しそうにバーバラに頬擦りしてる強面のおっちゃんは気付く様子もない。


でも、バーバラはすんごい迷惑そうな顔してる。何気に毛も逆立ってるし……


そう思ったら、案の定……


ガリッガリガリ……


バーバラが強面のおっちゃんの顔を掻きむしり、とどめの猫パンチを喰らわすと私に飛び付きゴロゴロと喉を鳴らす。


「おっちゃん……血だらけだけど……大丈夫?」

「いいんですよ。この気の強いところがバーバラの魅力なんですから」


女王様にムチでぶたれた時と同じ恍惚の表情。


なるほど……生粋のドMってことか……


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