そこから先は、甘くて妖しいでんじゃらすゾーン。【完】

「貴様ぁ~……我らの大切な姫に何をするー!!」


怒り爆発の強面のおっちゃんが凄い勢いで走って来たと思ったら、加速をつけたまま追いつく直前で飛び上がった。


引きずられている私の真上を強面のおっちゃんが通り過ぎて行く。


しかし、その瞬間、着ていたバスローブの裾がヒラリと捲り上がり、パンツを穿いてないおっちゃんの股間が露わに……必然的に強面のおっちゃんのアレが揺れながら宙を舞う光景がバッチリ見えてしまった。


ウゲッ!!えらいモノを見てしまった……


そう思った時、頭上でメキッ……となんとも言えない音がして、恐る恐る振り返ってみると、強面のおっちゃんの膝が見事にジョーの顔面にめり込んでいたんだ。


「ひぃーっ!!おっちゃん、ジョーの顔が……」


パタリと倒れたジョーを見下ろしながら強面のおっちゃんが薄ら笑いを浮かべ吐き捨てるように言う。


「今度また姫に手を出してみろ。その時は東京湾に沈めてやる……」


ゾゾゾ~……このおっちゃんが言うと冗談に聞こえない……しかし、とっても残念なことに、白目をむいて倒れてるジョーには聞こえてないようだ……


「姫、お怪我はないですか?」

「は、はい。ないです!全くないです」

「それはようございました」


全然良くないよ……失神したジョーはどーするの?


さすがに心配になりジョーの顔を覗き込こむが、ご愁傷様ですと言うしかない。


ダメだこりゃ~完全にイっちゃってる……


その時、後ろでビシッ!と乾いた音がして「いつまで待たせるんだ!!」と怒鳴る女性の声が聞こえてきたんだ。


何事かと振り返った視線の先に居たのは、黒い革の水着みたいなコスチュームを着て仮面を付けた女性。ムチを片手に仁王立ちしていた。


「……だ、誰?」

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