呪いのブレスレット
「うわ~ん。怖かったー! 全然開かないし、外側から壁を叩く音がするしー」

みのりは興奮したように早口で言いながら泣いている。

「誰かに意地悪されたのかしら」

部長は抱きつくみのりの背中を撫でて慰めている。

「あたし、嫌われることなんてしていません!」

みのりの興奮は冷めやらず、訳の分からない部長は困っている。

「みのり、とりあえずコートに行こう。部室の鍵は?」

みのりは握りしめていた鍵を先輩に渡した。

「亜美、鍵かけてくれる? ドアの調子が悪いこと、先生に言わなきゃね」

あたしは先輩から鍵を受け取ると、ドアを閉める。

先輩はみのりを立たせて、あたしが横に行くと歩き始めた。

ひかりの姿を見てしまったあたしは、彼女がやったことなのだと思っていた。

どうして、みのりに?

今までの事からしたら、閉じ込めるなんてたいしたことじゃないけれど……。

< 104 / 216 >

この作品をシェア

pagetop