呪いのブレスレット
「成仏は……今のままでは出来ないだろうな。俺より霊能力が強い人を知っているんだ。その人に相談してみようと思う」

「ありがとうございます!」

「おそらく君が俺のメモを失くしたのではなく、彼女に失くされたのだと思う。会うのを邪魔するために。でも、君の守護霊はかなり力があるようだ」

拓磨さんはあたしの顔から肩の方に視線をずらし微笑む。

「守護霊……ですか?」

「そう。君を守ってくれている……ん?……赤いものに気をつけろと」

拓磨さんはどうやらあたしを守る守護霊と話をしているみたい。

「赤いもの?」

「ああ。赤いものは彼女の力を強めるらしい」

その時、あたしは赤いものがなんであるか、ピンとこなかった。

それに気づいたのは拓磨さんと別れ、部屋で合宿の用意をしている時だった。

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