呪いのブレスレット
『あたしたちはあの子を殺したも同然なのよー!』

田島先輩の言葉が耳から離れない。

どういう意味なの?

何度も翔平の背中の田島先輩を見てしまう。

小杉は肩を落とし、俯きがちに歩いている。

「ちゃんと話を聞かなきゃね。なんかあるんだよ」

隣を歩く玲奈があたしに言った。

「うん」

戻る途中、合宿所が見えてきたところで、田島先輩は翔平の背中で意識を取り戻した。

合宿所の門で待っていてくれたのは、テニス部の係りの4人と顧問2人だ。

田島先輩は翔平の背中から降りた。

「遅かったな。なにをしていたんだ? これから行こうと思っていたんだぞ」

「すみません。田島先輩の具合が悪くなって」

玲奈が先生に説明する。

「田島、どうした? 大丈夫か?」

サッカー部の顧問が田島先輩に近づくと聞く。

「は……い。もう大丈夫です」

< 196 / 216 >

この作品をシェア

pagetop