呪いのブレスレット
だけどこの痛みはぶつけただけではない。ひかりの思いがあたしに強く響いてくるのだ。

『ユルサナイ……』

「ひかりーっ! やめてーっ!」

パリーン!!!

窓際へ追い詰められていた田島先輩。

そこへ窓ガラスが割れて田島先輩に降りかかる。

「田島先輩っ!」

生暖かい空気が一瞬にして冷房のかかった部屋を変えていく。

床に落ちた破片は1つずつ宙に舞い上がり、談話室の中を鋭く飛び始めた。

「いたっ!」

あたしの頬をかすめるガラス。

指先を頬に触れてみると、ぬるっとした感覚。

「いやーっ! やめてー! 痛いっ!」

田島先輩にも容赦なくガラスが当たってくるよう。

「亜美! ドアが開いたぞ!」

翔平の声が聞こえた。

「やめて! ひかり!」

赤いブレスレットはひかりの力を増幅させてしまうもの。だったら……あれを壊せば?

ガラスの破片が身体にぶつかるのを我慢し、痛みによろけながらドアに向かった。

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