呪いのブレスレット
「天然石? それってパワーストーンとかいうんでしょ? 綺麗なピンク色ね」

「えっ? ピンク色?」

「ええ。きれいなブレスレットじゃない。どうしたの?」

ママにはこれがピンク色に見えるの?

今までなんとも思わなかったブレスレットが急に気味悪くなった。

今まではむしろ、キレイで進んでつけていたのに。

あんな変な夢を見るからだ。

ひかりの形見分けの品だということは言っていなかったから、返事に困る。

「ママも欲しいわ。ひとつ買おうかしら」

「う……ん」

なぜあたしの目に見える色と違うのか……気味が悪い。

あたしはは手首からブレスレットを外すと、ポケットに入れた。

「あら、亜美! 遅刻するわよ!」

頭を軽く小突かれて、あたしはハッと我に返る。

「あっ! 今何時っ!?」

「8時よ」

「いけないっ!」

スマホをポケットに入れて、慌ただしくあたしは家を出た。
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