呪いのブレスレット
「アイツに殺されたんだ!」

小杉の「アイツ」に教室にいるみんなはざわめいた。

「線路から落ちたときも、俺たちは普通に話していたんだ。そしたらいきなり!」

小杉は思いつめたように青い顔で首を横に何度も振っている。

「小杉、落ち着け。アイツとは誰なんだ?」

乱心気味の小杉の元へかっちゃんは近づいて聞いている。

「吉村ひかりだよ!」

「はあ? 吉村だと? なにをバカなことを言っているんだ」

小杉から出た名前にあたしの心臓は大きく跳ねた。

どうして小杉はひかりの名前を出したの?

後ろを向いて小杉を見ていた玲奈と目と目が合う。

「亜美、今日はブレスレットしていないんだね」

「あ、うん。忘れてきちゃったの」

玲奈の何気ない鋭い言葉にあたしはとっさに嘘をついていた。

本当はスカートのポケットに入っているのに……。

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