呪いのブレスレット
「まあまあ」

「良かった……あのさ、どうして……ひかりのことを悪く言うの? なにかあったの?」

ひかりの名前を出すと、小杉の瞳が一瞬怯えたみたいにみえた。

「なんにもねえよ」

「本当に?」

「ああ」

「そうだよね。ひかりは部活に入っていなかったから、先輩の知り合いなんていなかったしね」

「……」

小杉が黙ってしまったので、そこから去ろうとすると、玲奈がやってきた。

「亜美っ!」

あたしの名前を呼んだ玲奈は小杉の横まで来た。

「小杉、足無理しないでよ? 合宿に出てもらわないと困るんだから」

サッカー部のマネージャーの玲奈はお姉さんのような口調で言う。

「ああ。それまでに絶対治すよ」

サッカーの話題になって、小杉の表情が明るくなった。

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