呪いのブレスレット
「運動してきたからお腹空いたでしょう? 麻美はダイエットだって、あまり食べてくれなかったらたくさんあるわよ」

「あー、今年は海に行きたいって言ってたからね。でも、ダイエットなんてしなくても、今のままで十分じゃん」

去年の夏は高校受験で遊べなかったから、高校1年の夏はたっぷり遊びたいのだろう。
あたしだって、来年は遊べない。

「そうよねー ダイエットなんて身体に悪いわよ」

相槌を打つママは食べているあたしの前の椅子に座って、ウーロン茶を飲んでいる。

「それより、ちゃんと日焼け止め塗ってるの? 真っ黒じゃないの」

「塗ってるよ。汗かくからすぐにとれちゃうの。あ、ウォータープルーフの日焼け止め買ってきておいて」

「いつもママが買ってくるものに文句言うんだから、明日、自分で買ってきなさい」

「はーい」

あたしは適当に返事をしてママから生姜焼きのお皿に視線を戻そうとしたとき、ママの左手首に光る天然石のブレスレットが目に入った。
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