呪いのブレスレット
「亜美、そんなところでなにしてるの?」

「きゃっ!」

考え事に耽っていたあたしは、背後から突然声をかけられて声を上げた。

両腰に手を置いた玲奈だった。

「なんでそんなに驚くのよ」

「えっ? ううん。ひとりだと思っていたから……」

「変な亜美。非常階段を使ってどこへ行ってたの?」

「ちょっとね」

怪訝そうな玲奈の顔だけど、あたしはなんでもないように装い歩き始めた。

自分に起こる不可思議な出来事を、まだ玲奈に話しが出来る状態ではなかった。

結局、ホームルームでかっちゃんは誰が事故に合ったとは言わなかった。

あれは夢だったんだ。そう思いたい。だけど、あたしの肩に指の形が血ではっきり付いていた。

それに、いつの間にブレスレットが左手首にあったし。

考えると全身が重くなってだるくなる。

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