もう一度、君と…。
教室に着くと、百合が居て…本を読んで居た。

「…あ、恋羽!おはよう♬」

本から顔を上げて、私を見て笑う。

「お、おはよう」

一生懸命作り笑う。

「…恋羽?」

私に近づいて来て、顔を覗き込む百合。

「…百合」

私はギュッと抱き付いた。

知らぬ間に涙まで出てくる。

初めてだった。

友達に涙を見せるのは…。

「ゆ、百合ぃー」

百合はずっと背中を撫でてくれていた。

涙がなかなか止まらない私に、「大丈夫だよ」と優しく笑いながら…。

少し落ち着いた所で、保健室。



「百合」

「ん?」

「…いつも、ありがとう…大好き」

自分から初めて思いを伝えた。

百合はそれを聴いてクルッと私の方に顔を向けて立ち止まった。

だから私も立ち止まって、首を傾げて百合を見つめた。

「私も大好き!もー、想汰より好きぃー♡」

満面の笑みの百合が可愛過ぎて…、どうしようもない。

「…///」

私は黙って百合を見つめた。

百合の方が5cm位小さい。

「…恋羽?…顔真っ赤だよ?」

ニヤッと笑って私を見る。

「っ…///」

どうしていいか分からず、目が泳ぐ。

「ポーカーフェイス、とれてるね」

少し声笑う百合は、私の手を掴んだ。

「ほ、ホント?」

「うんっ」

百合みたいにあんなに輝く笑顔ではないけど…。

私は百合の優しさに、心から笑顔を向けた。
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