もう一度、君と…。

微笑みの女神。


試合が始まる笛がなった。

挨拶を終えた恋羽は…ネックレスを首からとって、キスをした。

俺ら男の観客は…いっきに顔が赤く染まる。

…高校生になった恋羽はとても綺麗で。

思わず、涙が溢れそうになった。

恋羽はベンチにネックレスとブレスレットを置いて、試合モード。

…恋羽のラテラルパスはいまだ健在。

と言うか、勢いが増している。

変わらないように見えて、難易度は上がっている。

センターバックの恋羽からポストにパスが入る。

そして、ポストはディフェンスを利用しながらブラインドシュート。

ーシュッ

綺麗に入ったボール。

周りはいっきに盛り上がりをみせた。

「…?」

そう言えば、誰がゴールキーパーやるんだ?

パンフレットには、日によって異なるって書いてあったけど…?

ディフェンスに入れ替わった時、俺は驚きを隠せなかった。


恋羽がゴールキーパーだった。


俺の変化に気付いてか、礼子が言った。

「そう、あの女の子が今最も有名な選手だよ。『女神の守護神』かつ、『女神のセンター』。一人で二役をやってるんだって。大体がこの女の子がキーパーらしいよ」

「…へ、へぇー」


『女神のセンター』

『女神の守護神』


相手は7人制の男だ。

プロのハンドボールの選手でもある。

だから、たかが一年しか経ってない高校生相手に、負けられないんだろうな。

ブラインドシュートが恋羽に向かってとぶ。

でも…それを意図も容易く、弾き返した。

ーーパン!

そんな音と共に…。

相手は唖然としている中、恋羽を先頭にして、どんどんと上がっていく。

速攻技になってしまって、敵ナシのまま、恋羽はジャンプシュートを魅了させた。
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