春恋~春来い~
なんで、こんなに優しいの?私は洗面所を飛び出た。廊下の兄の背中に向かって言った。











「なつきっ」










「ん?」








「あ、ありがとう。」










私はかつて、この言葉を兄に言った事は無かった。これから先も無いんじゃないかな…
兄はさっきとは違うニヤッという笑顔を見せて言った。








「お前の今の顔、サルみたい。俺の妹として恥ずかしいぜ。バーカ」











え…。最低。クソ兄~!!
私は兄を優しいと思った事を今までになく、後悔した。








「コノヤロー!」










でも、いつもと違う感情だった。私は兄を許せた。笑顔が込み上げてきた。
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