マーメイドの恋[完結]
1週間後の土曜の夜、福岡市内のカフェ&バーで、高島桃乃と待ち合わせをした。
夏子は、週末は休めないので、夜の7時に仕事が終わってから、タクシーで近くの駅まで行き、そこから博多駅までの列車に乗らなくてはならない。
夏子がバーに着いたのは、8時近くになっていた。
はじめて行く店に入るのはなんとなく怖い。
夏子は、駅で待ち合わせをすれば良かったと思いながら、桃乃に電話をかけた。
「あっモモ?今バーの前にいるんだけど、モモはもう中にいるの?」
「ナツ遅い〜!中にいるよ。早く来て!先輩もナツに会うの楽しみにしてるんだよ」