今も。これからも。ずっと、きみだけが好き。
 それに、僕だって、陽菜の髪に触るの好きだし。


「うん。陽菜の髪を乾かすくらい、構わないよ」

「よかった。ほら、お母さん。歩夢だっていいって言ってるし」

「わかったわよ。お母さんはね、髪のことだけ言っているわけではないのよ。でも、まっ、いいわ。あなたたちの仲がいいのは、今に始まったことではないしね。昔は陽菜の方が、歩夢くんの面倒を見ていたのにね。いつの間に逆転しちゃったのかしらね?」


 おばさんは僕たちを見て、軽く肩をすくめた。



 まだ何か言いたそうだったけど、言葉が見つからなかったのか、
 そのままリビングを出ていった。

< 15 / 566 >

この作品をシェア

pagetop