今も。これからも。ずっと、きみだけが好き。
「歩夢、着るものを持ってこようか?」

 陽菜の声。

「いいよ。部屋の中は暖かいし、大丈夫だよ。それより、陽菜の髪を乾かさないと。陽菜の方こそ、風邪ひいちゃうよ」

 僕の心配より、自分の心配しなきゃ。

 大会前に体調崩したら……そっちの方が心配。


「じゃあ、ココア入れてあげる」

 そういってキッチンへと歩いていく陽菜。


 違うでしょ。


「ココアはあとでいいから」

 僕は慌てて断ったけど、陽菜は構わずにカップなんかを用意している。

「わたしも飲みたいし。ねっ、一緒に飲も。それならいいでしょ?」


 そんなこと言われたら、断われないじゃん。



 結局……

 ココアを入れてもらって、陽菜が飲んでいる間、
 僕は髪を乾かしてあげた。
 
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