今も。これからも。ずっと、きみだけが好き。
「悠斗、何、ボーと突っ立てんだよ」

 声がした方に振り向くと、佐伯祐太朗(さえきゆうたろう)が立っていた。
 同じサッカー部の同級生。部活の中では比較的仲がいい友達。

「何でもない」

「何でもないって、顏じゃないけどな」

 祐太朗は言いながら首に手を回すと、俺の頭をぐしゃぐしゃにかき乱した。

 荒い、荒い。

「おい、何すんだよ」

 力が入ってんじゃないかよ。

「痛いだろ。止めろ」

 何か恨みでもあんのか。
 首をがっちりホールドされているせいで、抵抗しようにも力が出ない。

 くそっ。
 油断するんじゃなかったぜ。


「陽菜ちゃんともこんなことしてただろ?」

 はっ?

 陽菜にはこんな乱暴なことしてねえよ。
 てか、


「陽菜ちゃん?」

 随分と馴れ馴れしい言い方。


 陽菜の知り合いかよ。



 こいつも?

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