今も。これからも。ずっと、きみだけが好き。
「それだけ聞くとスポ根ものみたいだけど、上手くできた時には褒めてくれたし、陽菜も足手まといの俺にさ、手とり足とり教えてくれて、フォームもフットワークも基本の全てを陽菜から教えてもらった。試合に勝った時の喜びも負けた時の悔しさも、共に分かち合って、励まし合ってきた」


 共に……2人の絆が見えたような気がした。


「気がつけば、小学校3年間のほとんどを陽菜と過ごしたんだよな。小学校の思い出といったら、このことしか思い浮かばないくらい、俺には濃密な時間だった」

 航太は懐かしむような表情には愛しさが溢れていた。

 陽菜が一生懸命、航太にバドミントンを教えている姿が思い浮かんでしまった。


「俺と陽菜との関係。少しは理解出来たか? 俺がどれだけ陽菜のことを大事に思ってるかってこともわかったか?」

「ああ」


 陽菜と過ごした3年間は航太の全てのような気がする。

 濃密な時間って、小学生で思えるような感覚じゃないよな。
 
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