今も。これからも。ずっと、きみだけが好き。
 それでも、放課後グラウンドから彼女を探す自分がいた。

 いつの間にか、何の色も映さない彼女の瞳に惹かれるようになって。

 今までの誰とも違う瞳は、いつかは俺のために色を映してくれるんだろうか。

 それは何色なんだろう。




 思いは募っていく。

 彼女を好きにならないなんて、どんなに否定しようとしても。




 彼女は航太のもの。



 消せない真実はいつも目の前にあって。


 
 いつも一緒に登校して。
 いつも一緒に帰る二人。
 
 仲のいい二人を見せつけられて。



 だから、思いは必死に隠していた。
 友達を裏切るようなことはしたくない。
 

 ずっと、そう思ってきたのに。
 
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