今も。これからも。ずっと、きみだけが好き。
「全国か」

 そうだった。
 ここのバドミントン部は男女とも全国大会の常連校。しかも毎年ベスト8以上の成績を上げている。
 それにインターハイでは男子が準優勝、女子は優勝している。
 この春の選抜大会も出場するって聞いていたんだった。


「そう。今回は女子部は夏、春連覇がかかっていて、猛練習中の大事な時なんだから、陽菜を振り回すなよ」

「どういう意味だよ。別に振り回してねえよ。時々、話をして、時々、一緒に帰るだけだろ」

 時々を強調してやった。俺の気持ちの表れ。


 むしろ、こっちが振り回されてるよ。

 陽菜の一挙一動が俺の気持ちを揺さぶるから。
 一喜一憂して、そして、ますます陽菜を好きになる。

 陽菜は相変わらず、無感動だけどな。


「そうかもしれないけど、今は本当に大事だから、そこは覚えておいてくれよな」

 いつになく、真剣に航太が言った。

「わかった」

 
 全国大会が控えていれば、神経質になるのも仕方がないかと、
 ここはおとなしく返事をしておいた。



 でも、陽菜を見る限り、そんな心配は必要なさそうだけどな。
  

 
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