今も。これからも。ずっと、きみだけが好き。
「そのうちわかるから。その時は、頑張れよ」

 俺の肩をポンポンと叩いた航太。
 何気に激励されてる?

 何に頑張るんだよ。
 わけわかんねぇ。

 話を締めくくられてしまった俺の頭の中は『?』でいっぱいだった。


「さてと俺、沙弥佳のとこ、行ってくるから」

 航太が喜々とした顔で言った。

「ちょっと待て。俺も行く」

 航太の彼女ってことは、同じクラスだから陽菜もいるはず。

 俺達は連れだって教室を出た。


 犬のことより、こっちが大事だよな。



 
 俺はそれっきり犬のことは忘れていた。
 
 
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