きみは金色


どうでもいいことは、教科書にたくさんつまってて。


そんなどうでもいいことを、読み上げて、覚えさせられて、教えられる。


それが、学生生活ってもんだったりする。


でも本当に知りたいことは、だれも教えてくれなかったりするんだ。



おれが今、1番知りたいこと。


…正しいオツキアイの進め方って、どんなんですか。









「では今日は、ここまでにします」



先生の、授業終了の言葉。


6時間目の終わりを告げるチャイムが鳴って、数秒後。


誰よりも早く机を片付けて、荷物をカバンに詰めて、立ち上がって。



「…市ノ瀬っ」



おれは、左ななめ前に光る黒髪に向かって、声をかけていた。


白く小さな顔が、おれの方に振り返る。



「ヒュウッ!」

「ヒューウッ!!」

「よっ!レオくーん!!」



その市ノ瀬の返事よりも先に、教室内に冷やかしの声がいくつも上がった。


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