久しぶりだね初対面
「そう言えば」

双葉は俺の顔を見る。

「前に会った時、聞きそびれて後悔してたの…名前、聞いてなかったよね。教えてくれる?」

「ああ…久我。久我時生」

「久我君かぁ…」

双葉は噛み締めるように、俺の名前を小さな声で何度も反芻する。

思えば双葉は、高校で初めて会った時から、俺の名前を知っていた。

今なら納得がいく。

双葉はこの時、俺の名前を知ったんだな。

「で、県立高校の生徒なんだよね?今、二年生くらい?」

「ああ…まぁ…」

ここは曖昧な返事にしておく。

今の双葉から見れば、俺は年上なんだろうが、本当の俺は同級生だ。
うまく誤魔化しておかないと。

「だったら、私が入学した時も、まだ高校にいてくれるよね?」

双葉は突然、そんな事を言い始めた。



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