love beginner
そのことを知っているのは2年では私と女子の部長と男子の副部長だけらしい。
私の先輩達はもちろんみーんな知ってる。
なんていったって、相手は私の先輩だし。
テニス部でも可愛い部類にいて、テニスも上手だった最上沙羅(サラ)先輩。
なんでも、沙羅先輩の一目惚れだったんだとか。確かこの男付き合って半年になったと神谷が言っていた。
「わ、ごめんアウトだわ!」
「大丈夫だけど・・・今日調子悪い?」
う、痛いところを突くな・・・
私はラリーをやめてネットに近づく。すると神谷も近づいてきた。
「何、なんか悩み?」
「うーん、悩みってか、不満?」
「あ、察した。」
「わかる?」
私と神谷は部室の方をちらりと見る。私はため息。
「大丈夫、気にしないどくよ。」
「そう?」
実は私には悩みが2つほどある。1つは不満に近いけど。
「あんなに一緒にやろうやろう言ってたのに。」
「ま、そっちの部長さんにも色々あるんじゃない?」
そう、私は自分の部長に不満がある。
私達の部長はなんでもできるパーフェクト人間。可愛いし付き合って1年ぐらいの彼氏もいる。
性格もサバサバしていて、私は好きなんだけど・・・
「明日こそは行くって言ってたのになー。」
「それは俺も聞いた。」
まぁ、これはいいや。
そっとしといたほうがいいのかもしれない。
「ま、さすがの神谷も、もう一つはわかんないでしょ。」
「なんか言った?」
「ナンデモアリマセーン。」
もう一つの悩みはまだ誰にも言っていない、私だけの秘密。