ぶきっちょ



まだまだガキだなんて思ってた悠斗。


けど、たった今の悠斗はひどく大人に見えた気がした。


俺はぼんやりとそんなことを思いながら、体育館裏に来ていた。


途中で何人かの女が声を掛けてきたけど、適当にあしらった。


何をするわけでもない俺は、適当な場所に座り込む。


初めて彼女と会った場所。


会ったというか、見ただけだけど。


一目惚れって言うのかな、これも。


なんてぼんやり思いながら、ポケットから例の指輪を出す。


悠斗とは本当にガキの頃からの腐れ縁。


周りより少し幼い悠斗と、少しだけ大人ぶった俺。


そんなでこぼこな俺達なのに。


よりによって初めて惚れたのが同じ女。


しかもお互い一目惚れ。














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