代償 2nd mean
「え?でも、前、慶佑が前橋組は弱かったって………」
何か、ちょっと矛盾?
「あー、それね。はいはい」
手をヒラヒラ振るのは、キャーラ。
氷族長が呆れてる。
「前橋組の前の族長の時ね。ちょーっとばかり弱くなった時があったのよ」
………はあ。
「それで、上時総長が───」

『前橋組て、こんな弱かったか?』
と、言い出し。
族員を鍛え直し。
周りの族(慶佑曰くゴミ族)を潰して、前橋組をトップに君臨させた。
一時期、2、3番目あたりまで落ちこぼれたらしいから。

「慶佑は愛鷹総長の背中を見ていたからかな………それって」
「文ちゃん、よく知っているねぇ」
「うん。慶佑に聞いたんだ」
「愛鷹総長かぁ」
凜音さんが、紅茶を啜る。
「見たことないね。聞いたことはあるけど」
「上時総長の前の前でしょ?」
蓮華さんも知ってる。
「写真ないのー?」
「さぁ。聞いてないから、分からないよ」

このピアス。
紫漣総長から、愛鷹総長──上時総長って、ずっと使われているんだよね?
なら。
「キャーラも………着けるの?」
「ピアス?」


や・だ・なぁ~★
着けるわけないデショ☆
だってぇ~可愛くないもん★

こいつぅ~☆
と、私の額に軽くデコピン。
───。

───あんた、誰よ。
凜音さんが、
「キャーラ、別れよう」
何て言い出す始末。
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