INSIDE BLUE



「…詩依って、ハーフ?」

 お互いにシャワーを浴びてから、一緒にベッドに入った。

 左側に詩依が居て、手を繋いでみると握り返してくれた。…何やってんだ、俺。いろんな意味で。

「クオーターだよ。お父さんがハーフ」

 詩依はもう泣いてもいなかったけど、いつもみたいに綺麗に笑ってもいなかった。

 これが本来の表情なんだろうな、とぼんやり思う。

「ふーん…」
「――眠ってもいい…?」

 小さな声で、詩依が呟く。

「うん。手、」
「繋いでて」

 答えを先回りされてしまった。

「…ほんと、なんでもわかるよな」
「ん…」

 囁くように頷いて、ほどなくして小さな寝息が聞こえてきた。
 安心してくれているのなら何よりだけど、俺はさすがに眠れなかった。

 それでも数時間後には疲れていたのかすっかりと眠ってしまっていて、起きたとき隣にいる詩依としっかり目があってしまって相当驚いた。

「お、はよう」

 どもりつつ言うと、詩依は笑った。

「ん、おはよう」

 手はまだ繋いだままで、俺らしくもなく妙に照れくさかった。
< 28 / 28 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

初雪の日の愛しい人[短編]
琴莉/著

総文字数/6,733

恋愛(その他)16ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
「イイんじゃない? すきなら、 とことんきらいになるまですきでいても」 ――あたしね、忘れないよ。 初雪が舞った澄んだ夜に、 あんたにもう1度あえたこと。 ――初雪の日に起こった奇跡。短編です。 ☆完結しています
紺色の道が終わる場所[短編]
琴莉/著

総文字数/2,498

恋愛(その他)4ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
彼女は、凛としている女性だと思う。 “凛としている”というのがどういうことかはよくわからないけれど、 彼女は“凛としている”と思う。 背筋はいつも綺麗に伸びていて、 何かをとらえる視線はいつもまっすぐだ。 そしてときどきわがままで とても頑固者でもあり、 少々変わった思考の持ち主で そんな彼女の姿は、どうしようもなく、僕をトリコにする。 ――卒業の日の、短いおはなし。 ☆完結しています

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop