【完】適者生存

「・・・・・・ん・・・ぁ・・」


私は生暖かい風で目を覚ます。


「紗夏ちゃん・・・大丈夫?」


「あ・・・雅さん。


・・・はい、大丈夫です。」


「良かった・・・。


林道で倒れていたからね・・・。」


「ありがとう・・・ございます・・・


ここは・・・?」


「倉庫の中。


地滑りはあの林で止まってくれた。」


「そうですか・・・。」


皆の間に沈黙が流れる。


「・・・姉様。」


「ん・・・?


どうした?」


「・・・この様子じゃ、呪いが止まるどころか暴走するかもしれませんわ。」


私は俯く。


「・・・私は、覚悟がついております。


あとは姉様だけですよ?」


「どういうことだい?」


「・・・滅びと再生の儀の目的はお分かりです?」


「・・・ああ。」


「・・・再生の儀を行っても呪いが止まるという確証は無いの。


無謀を承知で行ったもの。


でもね、確実に呪いが止められる方法がわかったの。」


「・・・それは?」


「ふふ・・・野暮ね。


そんなこと、聞かないほうがいいかも。」


どんどん悲しみと不安で心が満たされてゆく。


沙捺ももう覚悟してしまった。


私も覚悟するしかないの?


・・・いや、そんなことしたくない。


・・・でも、沙捺の願いをかなえるには殺さなければならない。


どうすればいいの?


教えて・・・教えて・・・!
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