敵恋カンケイ。~双雷VS神亀~




 ――放課後。




 あたしは学校を出て、家へと帰った。





「ただいま」





 パパとママの写真にそう言ってから、靴を脱ぐ。





 制服からTシャツにショーパンというラフな格好に手際よく着替えた。



 お団子に結んでいたゴムやピンを取り、首を振って腰まである髪をさらっとなびかせた。







「……久し振りに、顔出しとこうかな」







 ポツリと独り言を呟いてから、あたしはまた家を出た。






 春風がザァ!とあたしの髪をさらった。



 もう、春なんだ…。





 いつも春は、あたしから何かを奪っていく。








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