ばくさん、たべてください。
「ばくさん?」


「そう、ばくさん。
夢を食べる生き物よ。」


「ふうん。
ねぇ、動物園にいる?」


「いるけどいない。」


「テレビで見れる?」


「見れるっちゃあ見れるけど……
最近は出ないわねぇ……。
芸能界も厳しいからねぇ。」


ママの答えは
イマイチ分からなかった。


僕がよくわからないって
顔をしているとママが


「兎に角、
怖い夢を見たら
『ばくさん、たべてください』
って言えば良いのよ。
おまじないよ。
ほら、お話してあげるから
早くお布団に入りなさい。」


僕は今日もまた
怖い夢を見たらどうしようって
思ったけど
ママが言うから
布団に入ることにした。
< 2 / 12 >

この作品をシェア

pagetop