マジで恋した5秒後

まあ、これでタイムオーバー。

宿題の件については有耶無耶になっただろう。



自分の辱めを披露してしまったが…代償は大きかったが、
宿題の件についてこれ以上怒られなくて良かった。





私が安堵の息を吐いて職員室の入り口まで歩き出せば、








「ああ、斉藤。
今日忘れた宿題、明日ちゃんとやって持ってこいよ」






ちっ、待逃れたと思ったのに。


これは今夜はまた徹夜かな～なんて思いながら職員室から出る。



と……私の後ろから続いて職員室を出た平野先輩。







「あっと…じゃあ…」


顔を合わせたのも会話をしたのも、今さっき初めての平野先輩になんて言っていいのかわからない。


『また』とも違うし、『さよなら』も寂しいし。


私はまた先輩と話したいとか、仲良くなりたいと思っても、

先輩は生徒会長をしていて優秀生徒な上に多分人気もあって、

それに比べ私は、
少女マンガを読んでて宿題をしてこないし、
担任の先生から『馬鹿』のお墨付きをもらうほど馬鹿だし、
教室の窓から『死んだらディ(以下省略)』なんて叫んじゃうような生徒だし。