マジで恋した5秒後




いつもの調子でツッコんでしまった。

だって…この先輩、私が読者様に先輩について語っている間もずっと笑っているんですもの!




「おい斉藤。生徒会長様にその言葉使いは無いだろ~」


またポカンと頭に当たるのは丸めた教科書。

野原め……






「斉藤さんって言うんだ?」

クスクス笑ったまま平野先輩は私に問うた。



「いやいやいや、先輩に読んで頂けるような名前では無いです」

名前を呼ばれた事が…名前を気にしてもらった事が嬉しくて、

私は身体の前で両手をブンブン振って先輩に敬意を込めた様な言葉を返す。

……と言うか、何と言ったら良いのか分からず、

出てきたのが昨日夜更かしして読んだ少女マンガに描いてあった台詞を言った。





さっきの一文で気づいた方も要らしたかもしれませんが、

少女マンガを夜更かしして読んでいたもので宿題を忘れたのですよ。
これが私が宿題を忘れた真の理由ですよ。





「そうだぞー平野。

お前が呼ぶような……いやむしろ視野に入れるような人間じゃないから。

職員室から出たらまず、手洗いうがいをしっかりするように!」



おい、野原!!!


この人は私の担任なのだろうか…

自分の可愛い生徒をばい菌扱いなんて!!


 



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