手に入れたいのはお前だけ。
彼の隣のメガネくん
「そんなに好きなの?」
低いのに温かみを含んだ声が聞こえたのは、あたしの耳元。
そんな近くで囁かれたことのないあたしは、緊張とドキドキで体をこわばらせた。
「え、あ、あの……」
「そんなに奏太(そうた)が好きなわけ?」
“奏太”という名前が出てきて、さっきとは違う気持ちで胸がギュッと締め付けられた。
奏太というのは、茂木 奏太(もてぎ そうた)くん。
誰が見ても整った顔立ちに、誰にでも優しい性格。
文句なしの学園の人気者で大半の女の子の憧れの存在である、そんな男の子。
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