手に入れたいのはお前だけ。
「いえ……あたしは別に言えないとかは……」
無くはないんだけど。
「本当?テストまであと少しだけど、深高くんに教えてもらっててもいい?」
「あ……うん。あたしはこの前教えてもらったから……」
「ありがとう!」
ぎゅっとあたしの両手を握って微笑む忽那さんの勢いに、あたしは負けてしまった。
ああ、やってしまった。
あたしは心の中で落ち込んだ。
由くんに勉強を教えてもらう権利を、簡単に譲ってしまったんだ。