手に入れたいのはお前だけ。
「千澄、どうしたの」
深高くんの心配そうな声が聞こえてくる。
泣きやまなきゃいけないのに、できない。
なぜだか涙が止まらない。
なんでーーー……。
「千澄?」
「なんで……あたしに構うの?」
こんなに綺麗な夕焼けなのに、なんだかあたしの目にしみる。
こんなこと聞くなんてバカかなぁ?
あたし、わかんないよ……。
「……なんでって、わからない?」
少し間をおいて、深高くんがそう言った。
とても落ち着いた声で。