手に入れたいのはお前だけ。
甘いカレ
【 由side 】
「そんな風に言う子だとは思わなかったよ」
いつものように、言葉に似合わない笑顔で奏太はそう言った。
俺は今、奏太と女の子の面倒くさい場面に遭遇してしまった。
「なんでそんなこと言うの!奏太くんって、思ってた人と全然違うんだね」
教室前の廊下で、奏太好みの茶髪ショートで気の強そうな女の子はふるふると肩を震わせている。
……なんでこうなるんだよ。
ただ購買にパン買いに行こうとしただけなのに。
教室を出たところで、奏太が女の子に呼び取られたのだ。
一応付き合っている、彼女に。