夢蝶 ~なによりも大切なもの~
『え!?1ヶ月も立ったの!?』
「あぁ。マジで心配した。」
1ヶ月かー。
それは、思うように動くわけないわな。
私は、ため息をつきながら、
なかなか動いてくれない手足を見る。
『ごめんね、大地。心配かけて。』
「いや。無事で良かった。
でも、なんで俺の前なんかに出てきたんだよ。あの状況で撃たれることなんて予想出来ただろ。」
『目の前で、人が撃たれるのを、見たくなかった。』
当たり前だろっと、突っ込まれるかと思ったら、こなかった。
…このことも、話さないといけない。
『大地…。』
「ん?」
『退院したら話がある。』
「話…?」
『あぁ。』
…これで、もう後には引けない。
言うしかないんだ…。