恋 時々 涙
…ガチャ
病院の屋上のドアをあけると、夜の冷たい風が体に吹き付ける。
空に浮かんでいる月や星が、にじんで見える。
「…優…ごめん…」
目に涙が溜まっていく。だけどぐっと堪えた。
俺が泣くんじゃない。俺が泣いちゃいけない。
どんなに謝っても謝りきれないことを俺はしたんだ。
私情にかられて…。あんて最低なことをしたんだろう。
この時決めた。
俺が優を一生守る。
優自身や、家族をもう悲しませない。
昔からの借りを今、返すよ。
優、おばさん。
星空にそう誓った。