〖短編〗2度目のサヨナラ。
「蓮…」
呟いてみる。
どうしてだろう?
『小鳥遊君』でも『蓮君』でもなく、《蓮》とすんなり口から出てきたのは。
『宏斗…
そうだ、あたし宏斗の所にいかなきゃ。』
そう言ってあたしが駆け出そうとすると、蓮はあたしの腕を掴んだ。
「待て!!!!!
オマエ、宏斗になにする気だ!!!」
『なにって…見守るの。』
「見守る…?」
蓮は、本当か?とでも言いたげな目であたしを見てきた。
『そう。
宏斗が元気ないから。
笑ってくれないから。
泣いてくれないから。
ずっと、〈彼女〉を待ってるから。』