年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)
 私は決めた。由也くんのために何も出来なくて悩んで泣くよりも、三十路のプライドを捨ててでもそばにいようと決めた。結婚出来なくてもいい。戸籍上は独身でいい。由也くんのそばにいるって。

 朝飯を食べてしっかり支度して、私はテーブルの前に正座した。テーブルの上には携帯。これから由也くんに電話をするのに気合いを入れたかった。昨日のメールも返事が来なかったし、スルーされる可能性もある。


「うん。よしっ」


 携帯に手を延ばし、由也くんの番号に電話する。すぐにプルルルという呼び出し音が聞こえて着信拒否でないことに胸を撫で下ろした。

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