年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)
「別れてください!」


 私は訳が分からなかった。


「またまた~。何かのサプライズ?? もう、ニクイなあ由也くん」
「……」


 由也くんは頭を床につけるようにして動かない。


「悪い冗談はよしこちゃんでしょ~、もう止めてよ」


 それでも由也くんは頭を上げなかった。


「分かった! ケーキの上に婚約指輪が乗ってるとか。ほら、こないだテレビでやってたじゃん」


 私は持っていたケーキ箱を床に置き、開けた。


「……」


 ただのホールのフルーツケーキだった。


「ああもうヤダな~、ケーキじゃなきゃスーツのポケット?、鞄の中? 普通すぎでしょ」


 由也くんの鞄を漁ろうと手を掛けた。

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