年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)
「そういうのを愛人って言うんだろ」
「世間ではそういうかもしれない。でも私は恋人だから。仲良し恋人だからそれでいいの」
「いい訳ねーだろ」
「いいの、私がそれで幸せなんだから」
「お前は良くてもボンボン夫人はどうなんだよ、奥さんはまだしもボンボンの子供は。父ちゃんが不倫してるって知ったら可哀相だろ」
「うん……。それを言われると辛い」
「ボンボンが心変わりしたらどうする、奥さん出来て子供出来たら情が移ってお前なんかポイ捨てされんぞ」


 鎌谷は矢継ぎ早に喋る。どれもこれも痛い台詞。


「でも私には由也くんしかいない」
「世の中デブ専はいくらでもいるぞ」
「そうじゃなくて。私が由也くんじゃなきゃ駄目なの、由也くんじゃなきゃ……」
「……」


 また鎌谷は黙り込む。自分のマグを見つめては俺様コーヒーを飲む。

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